モスラー1号。


 にっくきイモムシなんだか青虫に、パセリをほとんど食べられてしまいました。この夏、育てたパセリをほとんど食べることなく、これで最後の一葉も失ってしまったわけで、シクシクとうずくまるわたしでした。

 丸まると肥え、胴回りが鉛筆ほどもある青虫が次の食糧をさがしているのに気づいたので、そんなことさせない! と熱々のクルマのボンネットにのせました。お仕置きです。まだいるんじゃないかとチェックしていたらもう一匹見つけました。それもボンネットでお仕置きよ! と思えば、さっきの青虫はもう逃走していて姿が見えません。なんと逃げ足の早いことよ……と感心していたら、アスパラの葉に取り付いていました。

 次のお仕置き方法を思案するも、潰すには忍びないほどに大きいので、とりあえずペットボトルに入れました。

 あーら不思議。

 にっくき青虫ですが、容器をとおして見ると可愛いペットに思えてくる。エサにとレモンバームの葉を一緒に入れましたが、好みじゃないようで食べません。しかたがない……青虫もペットに昇格すると、大事なアスパラの葉もあげようって気になるから不思議です。

 上部を切り落としたペットボトルの中でアスパラの葉をぐわっしぐわっしと食い、オシロイバナの種を一回り小さくしたくらいの糞をボロボロ落とす日を二日ほどやった後、動かなくなり、むかし教科書で見たとおりのサナギになりました。


 サナギで一週間を過ごし、昨日、ようやく黄色いアゲハチョウに変身しました。アゲハチョウにせめて鳥ほどの脳みそがあったなら飼いたい……ハチミツもあるし……と思ったのでしたが、「モスラー、モスラー」と呼びかけても振り返らないので、外の花のそばに放しました。

 サナギに変わるのが1日ほど遅れたモスラー2号もいるのですが、閉めきった家でどうしているのやら、心配です。