繰り返し。


 傾いたメガネをかけていたら、アタマが痛くなった。

 メガネ屋に「誕生月サービスクーポン」で7パーセント引きになるというポスターがあったので、あと一週間ほど我慢しようとしたが、アタマと目の奥がズキズキしてきた。クスリと目薬を投入してみたが、もう限界。メガネを新調しにいってきた。

 だけど転んでもタダでは起きあがれない。
 違う特典をゲットして、10パーセント引き。後方から、今のメガネより小さなのにすれば、「今のレンズが活かせる」との声もあったが、ふんっ! と振り切った。

 火曜日に新しいメガネができる。それまではこの傾いたメガネを掛けなくてはならぬ。曲がったメガネの柄を応急手当してもらったが、完全じゃない。「これ以上やったら柄が折れる」と言われたけど、それってメガネを新調させたいがのセリフじゃないか……と事務所に戻って自分でやったら、すぐに折れた。

 で、今は片方の柄だけで、鼻の上にメガネをのっけている。やっぱり、アタマがズキズキしてくる。しくしくだ。最近、しくしくが多いな。
 昨日はその不便なメガネでさえ事務所に忘れて、家に帰って新聞も読めない。寝る前の読書もできない。宮部みゆきの『孤宿の人』の大詰めにきてるってのに、読めない。
 今夜はふて寝だ。
 と言いつつも、もう11時じゃないか。これじゃぁ、通常だ。
 最近12時には寝るようにしている。朝は6時頃に起きているので、美容と健康のためにも12時を目指しているのだ。寒くさえなければ朝は得意です。朝に気づけば、すぐにスイッチオン! すぐにご飯は食べられないけれど、元気に動き回れる。一日でいちばん元気な時間帯だ。

 だから夕方になると、風船がしぼむようにカラダから力が抜ける。ご飯を食べたら眠くなっちゃうし。そういえば、夜の試験勉強もダメだったなぁ。だから夜はとっとと寝てしまい(7時とか8時に)、それで早起きしようとしたら通常の起床時間で何度も失敗した。失敗は目に見えたことなので、がんばって起きていようとしても、すぐに机に突っ伏してしまった。

 寝るなら布団にしなさい──の母親の怒りで、すごすご布団に入る。

 こんなんだったら、最初から布団に入って寝れば良かった──と毎回、思った。

 繰り返すんだな。十代も二十代も三十代も四十代も。きっとわたしの五十代も同じこと繰り返すんだろうな。