どーした。


どーしたの?──と言われる。

 先日はサカナ屋でも言われてしまった。一昨日は、お隣りさんにも言われて……。どーもこーも、日に焼けただけです。

 屋外で水着になったのは、1985年のフィリピン・ボラカイ以来だろうか。いや1987年のダイエット中に買った水着があるので、そのあたりでバリで水着になっている。それ以後は、もっぱら区民プールの屋内専用の背中と肩が、まるで熟れた桃のよう──というのはわたしの弁。
 相田さんに見て見てと言って背中を向けたら「あせも?」って訊かれた。
 まあ、そんなもんさ。

 その後、桃からソルダムに変身し、痛々しさが増している。日曜日から気泡が入り、夜から皮が剥がれだして気になる。見た目ほどは痛くないが、朝、俯せで寝ている自分に気づくので、やっぱり痛いんだろうな。わたしは少々痛みに鈍いので、こんな時はお得です。

 そんなこんなの原因は、掛川のウォータープールに引率で行ってきたせいだ。あの拓郎たちのつま恋コンサートのあったところだ。静岡市より西にはあまり行ったことがなく、掛川駅に降りたのは初めてで、新幹線に乗ったらひと駅、15分前後。近かったんだ。ちなみに、帰りはJRの普通に乗って45分ほど。隣り駅があの菊川で、今夏の甲子園常葉菊川が活躍しています。電車の中から見た菊川はお茶畑が広がる、野球に専念できそうな緑に囲まれたところでした。

 休日になるとうちの前の路上でキャッチボールする父子の姿があるが、さすがに昨日はなかった。暑かったしな。代わりに熱い叫びが聞こえた。
 それは「キャー」じゃなくって、「ヒャー」とか「ヒョー」とか活字じゃ表現できない音で、高校野球の熱戦に合わせて聞こえてきた。うーむ、うちの近所で女子高生の姿を見たことないけど、あの声は絶対に女子高生だ。ここに住んで6年目の新しい発見だったが、帝京が負けてあの声は、今年はもう聞けない。

 最近は水の事故が多いんで、流れるプールにも、水とともに長い滑り台を降りていくやつにも、姪に付き合ってしまった。浮き輪にのって滑り台を流れていくやつは浮遊感が気持ちよくってあと引いた。ビーチボールを買って混雑するプールの中でボール投げをし、子どもの障害物を避けながら流れるプールを泳ぎ、我を忘れてはしゃいでしまった。うーむ、家から遠く、見知った人と会うことのない場所でよかった。
 緑に囲まれた良い環境にプールがあって、川遊びをしている錯覚を覚えるのだが、正気に戻されるのがロッカー料金だ。閉めるたびに200円が必要になって、手元に余った100円玉をロッカーに入れようとすると、誰かに100円あげちゃった方がお得な、100円の損失になる。

 息子と孫の荷物番をしている女性に日陰を分けてもらったついでに、ロンジーの端っぽに小銭をくるんだわれわれの荷物番も頼んでしまって、それは一件落着。彼女の孫(オトコのコ)に、われわれお気に入りの滑り台をすすめたら、「そんなことしたら宇宙まで飛んでっちゃう!」と拒絶されてしまった。

 浜松に近いせいか、ブラジル系(たぶん)の家族連れが多かった。運動選手の腹の筋肉のように、肉が複雑に割れた真っ青なビキニのおばあちゃんが、飛び込み台の階段を上っていった。彼女も今頃はわたしのようにソルダム色した腹と背中を痒がっているのかなぁ?