徳俵人生

 身長を測ったら、記憶にある数字より1センチ、低かった。
 マズイな。
 カルシウムを摂らなくっちゃ……と、魚屋で煮干しの佃煮を買ってきたんだが、佃煮の甘味は骨にモンダイはないんだろうか?
 そういえば、以前、爪が割れやすくなって買ったカルシウムのサプリメントがあるはず。はず……じゃなくて、ちゃんとある。置いてある場所だって忘れてない。その隣りには、赤ミミズのサプリメントもある。目に疲労を感じて買ったんだけど、忘れてたわけじゃない。夜に摂るのがいいと言われて、でも気づくのがいつも朝で、今夜飲もうと決めて、思い出すのが朝でを繰り返しているうちに、1年が経ったのだ。いや、1年半かな? もっとかな?

 わたしの一日は、やりたいこととやっておきたいこととやらなくっちゃいけないことの3本柱で構成されている。優先順位はそれぞれの日で異なるが、だいたい、どれもこれもやりこぼす。
 加えて、最近自分に課したことがあって、やらなくっちゃいけないことを不覚にも増やしてしまった。
 ふ〜。
 帰宅したら、すぐに顔を洗う。眠くなるとこれがかなり面倒がくさい作業になるので、放棄したくなる前に顔を洗うことを義務づけた。それに、なまじ寝る前に顔を洗うと目が覚めちゃって、これはこれで困るのだ。そのあと、つづけて髪をとかす。といっても、ブラシで頭皮をがしがしやるだけなんだけれど、コンピュータで強ばった目とアタマをときほぐそうというのが目的で、とりあえず、100回やると決めた。やり始めたばかりの頃はせっせと励んだのに、熱しやすく冷めやすい性格なので、今ではもう面倒で、毎晩、途中で投げ出したくなる。それを耐えに耐えて100回髪をとかしている。今じゃ、100回を1回でも超えることはない。数え間違いくらいはあるが。
 ふ〜、だ。
 それから、ぶら下がり60秒。これも、ほぼ60秒を超えることはないが、ちょっと懸垂っぽく、腕をクイックイッっと曲げて、ずれ落ちを防止策をあみ出した。筋肉がつくだろうか? ついたらいいんだが。

 昨年の夏の終わりに買ったサンダルがとても気に入っていて、雨の日以外ほぼ毎日履いている。最近のサンダル(だけじゃないけど)の残念なことは、踵のゴムがすぐにすり減ってしまうことだ。それで、980円のサンダルを買ってまもなく、1,050円かけて踵のゴムを張り替えた。友人にその話をしたら、980円程度のサンダルは掃き捨てるモノだ……と教えられた。ふ〜ん、そうか。
 で、ゴムを張り替えて丈夫なボディに変身したサンダルだったが、今度は表面(足の裏が当たる部分)がすり切れた。親指部分だとか踵だとか小指の付け根、親指の付け根あたりの表面の生地が破れ、その下の台が剥き出しになってしまった。左右の足ですり切れ場所が違うんだが、カラダ健康占いができるんじゃないだろか? と思える。
 モンダイは表面のみ、鼻緒も踵も、もちろん軸であるボディだって丈夫そうである。どーしましょ? と思案している。表面を直したら、次は鼻緒を直さなくちゃならなくなったりして。そうなったら総取っ替えではないか! 金食い虫の、わたしのお気に入りである。

 あー、わたしの徳俵状況を書こうとしていたのにサンダルの徳俵状況になってしまった。でも、980円のサンダルを修理しつつ履きつづけるのは、とても楽しい。わたしに似ている安物のサンダルなのだ。