脳をおもいやる。

 なにやってんだ──と言われて視線を落とせば、笑ってる場合じゃないぞ。

 益子で買った小豆色のカップの上に大分の小鹿田(おんた)焼きの砂糖壺のフタがかぶせてあった。砂糖を使ってフタを元に戻したつもりだったが、なんてこった。
 オソージガカリさんが笑ってる。あんたに笑われたら、お終いだ。

 寒くて靴下をはきにいったのに、洗い物を抱えて戻ってきた。寒い・冷たいって現実がそこにあるのに、それを忘れて脱ぎ捨ててあった靴下やシャツに気を取られたようだ。やっぱり寒くって綿入れを取りに行ったのに、戻ってきたときのわたしの手にはジャガイモが握られていた。どうして綿入れとジャガイモが同じレベルにあるのか不思議だが、まぁ、「取りに行ったモノを忘れる」ってのはよく聞く話だ。

 さっき、豆腐屋に行って「油揚げを1枚」のつもりが、「大豆1枚ください」になってた。横に立ってた女性が、「しょうがないわよね、目の前に大豆があるんだもの」とフォローしてくれた。
 そうよね、わたしのせいじゃないわ。脳とわたしは別物だから。ジキルとハイドみたいに……と思えばいいんだ。不便だけど。

 今回の作品は地味だが便利だ。ジーンズの丈を詰めたときに出た端布で作ったポイントカード入れ。魚屋とかコーヒー豆屋、農協、ケーキ屋、パン屋などのポイントカードを頻度別に3層に分けて収納しています。ポイントをためて、何かもらうの好きなのでいろいろ持ってます。