誰がわたしの財布にソレを入れたのだ!?
トランジットの香港で、財布の中のあり金全部を出して水とお菓子を買おうとしたら、それらの中のコインを1枚はねられた。
ほほぉー、どうして?
はねられたコインは中国人民元の1元で、「コレハ、ダメ」と言われた。あれ? 香港は中国になったんじゃなかったの? 中国へ返還された後の香港にも中国にも行ったことがないので、両国のお金の使われ方を知らないが、新聞の経済欄にあるレートを見るかぎり、香港元より中国元の方が高い。
中国元を受けとったほうが得じゃないの? というのは、素人の浅はかな思い違いだろうか?
それにしても、誰が入れたんだ?
たぶん、往きのトランジットでだ。あの時は、空港の両替屋で律儀にも日本円を香港元に両替えしてから買い物をしていたが、そのまま日本円を使った方がレートが良かった……と後で気づいた。おつりだって日本円で貰えたし、香港元でも貰えた。それなのに両替屋では手数料も取られて、踏んだり蹴ったりってこういうことを言うのね。
あの中国元は、空港のお店版「ババ抜き」だったのでしょうか?
ここ2〜3年のわたしの夕飯は、週末以外はほぼ18時前に完結させてる。そうしたら、天井知らずに増え続けた体重にストップがかかり、肉と脂肪が10キロちかく(あくまでも近くだからね)落ちた。体脂肪も肥満の入口から並みの仲間入りをした。
でも、そういう理想的な食生活を、旅行中にもおし通すのは難しい。で、帰国すると体重が少し増える。国によっては食事が肉ばっかりだとか、炭水化物に偏りがちの食生活も影響してもりもりっと増えることもある。
必ずしもその国での食生活が豊かだったからじゃないのが虚しい。
が、今回のインド帰り、体重が増えてなかった。訳は、わかってる。飯に当たりがなかったせいだ。南部インドだというのに、かなりハズレを引いた。一昨年のグジャラートではほぼ当たりだったのに。
インドではターリーよりヴェジタリアンのミールスが好きだ。三十代の南インドでは、おかわりし放題のそのミールスでどんぶり飯級のご飯を三杯食べていたが、五十代になってさすがにソレはできなくなっていた。そうなると、勘も鈍るのだろうか?
おかわりをしなかったせいで体重が増えなかったんだが、こういうのも不幸中の幸いっていうのかな?
わたしが夕飯18時前を決意したのは、『働く!!インド人』(流水りんこ著/朝日新聞社)の主人公サッシーさんのひと言、「40を過ぎたらね、それまでと同じ食生活してちゃダメね」。
そのころのサッシーさんはちょっと体調を悪くしていたようで、ぽこっと出たお腹をさすりながら、「糖尿病かもしれないのよね。お店を終えてから食べていた夕食をやめたの。夕方一度、夕食を食べに歩いて家に帰ってるの」と。
ふ〜ん、そうか。
たぶんわたしより若いサッシーにならい、自転車通勤をやめて徒歩にし、ゆるくだけど早めの夕飯生活にきりかえた。甘い物も、18時前に食べることにした。週末はちょっと怠惰に、だけど20時までに食事をすませている。夜のお誘いがあったなら、ソレはソレで遅い食事も可のゆるい決まり事にしてる。そうじゃないと、ストレスをためるから。
ずっと前、流水りんこさんの夫のサッシーが渋谷のカレー屋さんで働いているってことは人の噂で知っていた。その後、日比谷のカレー屋で雇われ店長をしてるってことも噂で知っていたけれど、どちらにも「行ってみたいなー」と思いつつもで行ったことがなかった。どちらもちょっと遠く感じた。でも、練馬で開いたサッシーの「ケララバワン」のカレー屋さんは地理的に近いだけじゃなくって、お店そのものが「ご近所のカレー屋」で、だけどそれがちゃんと「南インドのカレー」をしていて、とてもいい感じなのだ。
それは、19年前の南インド旅行で見つけたケララのトリバンドラムの安食堂「ラクシュミナラヤンバワン」に似ている。わたしがひいきにしていたその食堂は昼時になると、店の前にオートリキシャがずらっと並ぶほどに美味しくって安くって人気があった。
その店で、わたしはどんぶり級のご飯をおかわり三杯して、もっと食べたいのに不甲斐ないわが胃袋に地団駄踏んだ。ドライバーのおやじたちは四杯五杯は、朝飯前って顔で食べていた。
そこでわたしが発見したことは、ヴェジタリアンには量が必要なんだってこと。でも、五十代になったわたしには量より質が大事になった、ことを発見した今回のインド旅行でした。
『働く!!インド人』のサッシーのことは「編集長のーと」に詳しく書いてあるので、そちらをどうぞ。