間に合った。

 堀田あきお&かよさんの本のデータを印刷所に渡す日の朝、通勤途中の野菜の無人販売所で青梅を買った。夕方に氷砂糖を買って、帰宅後、青梅を洗ってザルにあげて水を切り、翌日の夜、青梅にハシを突き刺して梅シロップの仕込みを終えた。
 ちなみに、今までは爪楊枝とか竹串を突き刺していたんだけど、すぐに先っぽがヘタる。何本も潰して、今年はそのムダ使いの打開策にハシを思いついた。快調だった。

 ふ〜。

 毎年この時期、仕事の忙し度を窺う。そうして、青梅の買う量を図る。忙しいと青梅の時期が合致すると、洗った青梅がザルの中で熟して黄色くなってしまったり、洗う時間さえもとれなくてビニール袋の中で元気をなくさせて財布にエコじゃありません。
 今年はテレビを見ながら青梅にハシを突き刺したら、汁が水鉄砲のようにピッピッと顔に飛んできたが、梅汁は美容液としていかがなものか? 作業を終えたら眠くって、梅汁だらけの顔のまま寝てしまったが、朝にかぶれていることはなかった。

 ほ〜。


 わたしの二十代、日曜祝祭日を除いてほぼ毎日締め切りを抱えていて、仕事がらみにおいてはとりあえず「間に合った」できた。それらの「間に合ったは」大きかったのか小さいことなのか、よくわからない。

 今まであった「大きな間に合わなかった」も「小さな間に合わなかった」もその詳細も行方もほとんど覚えていない……ので、全体的には大したことのない「間に合わなかった」できたんだと思う。

 しかし、今朝は印刷所に渡すデータの作製は間に合ったが、それのプリントアウトが間に合ってない。今も、その途中だ。コンピュータで作ったデータが思惑どおりか、印刷所で出力したときにズレが出ていないか確認する見本をつけるためのプリントアウト作業だ。
 とりあえず出た分だけ渡して、今もその続きをやっている。わたしが間に合わなかった分、印刷所の営業担当者に緊張を強いる。
 頼みます。


 ココロに突き刺さったままの「間に合わなかった」がわたしにもある。それはトゲのまま、今も溶けていない。それらのサイズはわからない。「間に合った」とか「間に合わなかった」の尺度。コトはすべてニュートラル。それぞれの秤で、大きいのか小さいのかを計る。


 うちの郵便物用の秤、デジタルで高かった。だけど、郵便局の秤の重さと合致しないことがあって、窓口で切手を追加しなければならないときがたまにある。うちの秤は細かい数字は切り捨てで、郵便局のは切り上げなんでしょうかね。まあ、小さなコトですが。