真実は恐ろしいのか?

 ご近所さんで毛虫が大量発生して大騒ぎ。

 それは桜の木から落ちてきた毛虫で、木の持ち主のお隣りさんによって捕獲され、お茶碗一杯分くらいいた。「ほほーっ」と感心するわたし。「えーっ、そんなの見せないで!」と怯えるご近所さん。でもってお茶碗一杯分の毛虫を閉じこめたビニール袋を握りしめているのはお向かいさん。「殺虫剤で早く殺しちゃいなさいよっ!」って離れて助言するのはお隣りさん。

 で、「さすが・・・動じませんねぇ」と誉められ(?)てしまった。動じてないわけじゃない、見るだけなら平気で、お茶碗一杯分のもぞもぞしている毛虫袋を下げているお向かいさんの方がすごい。もっとすごいのは毛虫で、お向かいさんに殺虫剤を吹きかけられても死なない。

 見上げれば、桜の木は葉が八割五分がた喰われてはげ山みたいだ。あそこにはまだお茶碗一杯分どころか、どんぶりにだってはいりきれないくらい毛虫がいるはずだ。数年前、捕獲したイモ虫2匹ををペットボトルで飼って、サナギにして蝶にした。放すと窓の外で数回まわってどこかへ飛んでいった、可愛いヤツよ。
 桜の枝に残っている毛虫が一斉にサナギになって蝶になれたなら、すごい迫力だろうなぁ。見てみたいなぁ。


 うちの近所の昼下がり、たった一本の桜の木で大騒ぎになったところで、わたしはすごいことに気づいてしまった。
 駅から北に延びるバス通りの両脇に桜並木がつづくんだが、そしてそこをほぼ毎日歩いてるんだが、わたしは毛虫に気づいたことがない。早朝に周辺の人によって掃き清められているんだろうか? ちなみにわたしの家の前はほぼ毎日ご近所の方々によってオソージされている。わたしといえば、枯れ葉を放出してばかりなんだが、申し訳ないが、お世話になりっぱなしのままだ。

 それはそれでよくはないがよしとして、バス通りの桜並木を見上げてもはげ山の様子はない。たっぷりの葉はかなり初夏のままだ。桜はソメイヨシノで幹が古木っぽくでこぼこしていて渋い。ご近所さんの桜はその枝っぷり幹っぷりとちょっと違う。友人宅の庭にあったサクランボのなる木も「この木につく毛虫にやられると後も跡もひどい」と言っていたし。そうだ、桜と毛虫はセットじゃないのか?
 う〜む、謎だ。

 ソメイヨシノに毛虫はつかないのだろうか? それともわたしの知らぬところで、強力な殺虫剤が桜並木に振りかけられているのだろうか? そうだとしたら、雨降る日に、その下を傘もささずに歩いたりしたら危ないんじゃないだろうか?
 わたしは恐ろしい事実に気づいてしまった・・・んじゃなければよいのだが。


 桜にも毛虫にも関係ないが、旅行人グッズにインドのチャンパ村で織られたタッサー・シルクのショールをもうすぐアップします。旅行人マークは入ってないけれど、この春に行ったインドで注文して織ってもらいました。超薄と薄とやや薄の3種類。大きさは75〜80センチ×185〜190センチで、54グラム、85グラム、198グラムです。