面倒がくさい。

 1992年にいただいた鉢植えの君子蘭、ここ数年咲いてない。
 訳はわかってる。世話してないからで、今は倒れている。誰もその鉢を正しく座らせてやろうって思わないらしい。
 わたしは「倒れているな・・・」と見つづけて1年半ほどかな。
 花は正直だ──これは母の教え、というか口癖で、子どもはどんなに手をかけ手間をかけても思ったように育たないが、花は思惑どおりに咲く──らしい。
 水をやり栄養剤を挿して手間をかけていた数年前までは、ちゃんとオレンジ色の花を咲かせていたが、水やりを雨だけにまかせ、栄養剤も挿してやらないでいたら、正直だ。葉が茶色になり、春になっても新しい葉は出てこず、どうも生命の危機どころか枯れたようだ。それで何かの拍子に倒れたのだろう、そのまま数年だ。
 ヒトはなんと身勝手な生き物よ。

 で、先週の休日、その鉢を始末しようと中の土を取り出したら・・・罰に当たった。
 たぶん腐った根っこがアリの巣になっていて、ぎょわ〜っ、だわ。
 くわばらくわばら・・・だ。
 ゴミ袋に入れてアリ退治の白い粉をかけた。
 わたしは、アリが嫌いだ。恨みもある。
 旅行中、たびたびアリに食い物を先おこされ食われて、食い物の恨みは根深い。アリに噛まれることもよくあるし、わたしは腫れる体質だ。

 ここ数年、ミョウガを育てているが、いつも一気に芽が出てそれが大量なので少し処分することにした。オソージガカリさんもそれを強く望んでいるので。
 で、再び、ぎょわ〜っ、だわ。
 80センチ×40センチくらいの猫の額ほどの畑なんだが、ミョウガの根っこが出てくる出てくる・・・。よくもまぁ、こんなに狭いところにこんなにも大量の根っこが。そういえば、そこにはアスパラも植えてあったが、ミョウガに駆逐されたようだ。姿を見てない。
 緑の葉が出てぐんぐん育ち、ミョウガがぼこぼこ出てきて、夏の終わりに葉を切って土が凍らないようそれをかぶせての律儀な周期活動がされていたが、夏を待たずに終わった。

 どうしようもなく面倒になるのだ。まあいいか、で、1年なんてあっという間に過ぎる。困ったもんだ。
 と言いつつ、懲りもせず、しかもオソージガカリさんの許可を得ずに、出がけに農協の隣りでバジルの苗を3種、買ってしまった。匂いはみんなバジルなんだが、姿形はぜんぜん違う。