花のチカラ。

 ポルトガルではほぼ毎日、フライドポテトを食べた。一度だけだが、日本ではお菓子扱いの市販のポテトチップスが肉の脇に山盛りあって、そのときはかなりがっかりした。
 こんな食堂、選ばなきゃ良かった・・・。
 そんなこんなで体重が増えていることは容易に想像できていて、やはりそうだったし、帰国直後はその増加体重から便秘分をマイナスして、ようやく受け入れられる数字だ。
 帰国後、数日間は計画停電にそなえ、毎朝おむすびを握って夕飯に食べた。食事の支度をしばらくしていないと手際が悪く、加えてあれこれ用事があったり、食事を楽しもうって気分にはなれずにいたら、今朝はポルトガル前の体重に戻った。
 しかし、体脂肪はぐっと上がり、ポルトガルで食べた大量のフライドポテトの跡がくっきりと残る。
 ここ数年、うちには夏の花が一年中咲いて「丈夫なのか? 季節を勘違いしてるのか?」と思っていたが、それらがほぼ枯れていた。1月は乾燥気味だったし、水やりも怠っていたし、それなりにそういう気配はあったが、やはりで残念だった。
 昨年のはじめに植えたスズランの花もすっかり枯れて、二度目の春を迎えさせてやれなかったのも可哀相なことをした。
 10年ほど前に植えた富貴草。濃い緑の葉に白い小さな花が咲くが、華やかさはない。その花を気に入ったお隣りさんに引っこ抜いてあげてしまった残りのみが、日陰に残る。丈夫な花で、ちっともかまってやらないのに、一年中、濃い緑の葉でいる健気な植物だ。
 そう、お察しのとおり、それに地味だけど花が咲いていることに今朝、気づいた。
 富貴草に花が咲くこともお隣りさんから教えられた。白い花の好きな彼女にそれをおすそ分けし、空いたスペースにはお隣りさんが飽きた花をもらって植えた。昨年の猛暑とこの冬の寒さと乾燥で枯らしてしまったが、ひとつだけ生き残ったそれにも、花をひとつ見つけた。
 花のチカラってすごい。ゴミを捨てに行こうとして気づき、ガラじゃないが、温んだ気持ちで集積所の向かうと、途中のご近所さんの庭には同じ花がわんさか咲いていた。うちのはたった一輪だけだったけど、今日はかなりパワーアップして、たくさん食べちゃいそうなのが心配なだけ。