遅ればせながら、目からウロコ。

 恥ずかしいことなんて、わたしには数え切れないほどあるんだろうけど、数えたことがないので詳細はわからない。
 が、またまた発見してしまった。
 旅行に出る前に買い換えたガスコンロ、一昨日初めてサカナを焼いた。今までのはサカナを入れて、ボタンを押せば火がつくという、至ってシンプルなガスコンロだったのですが、今度のは電子レンジ級にあれこれ押すところが多くって、初めての操作は気が重い。重いままアタマを上げられず、焼き魚を避けてきたが、とうとうデビューを決心。ブリを焼いた。
 それはともかく。サカナを焼くとき尾っぽとかヒレに集中的に塩をふったり塗っていた。なぜそうするのか自分でも不明で、外で食べた焼き魚がそうなっていたからなのか、だれかにそう習った記憶もない。
 グリルデビューにあたって取扱説明書を読んで、おーまいごっと! なんのために「塩を塗る」のかを、生を受けて50余年、初めて知った。
 あー目からウロコであります。
 皆様はご存知のことでしょうが、それには「尾やヒレが焦げやすいので塩を塗っておきましょう」というようなことが書いてあったのだ。
 そうだったのかぁ、そのためだったのかぁ。自分でサカナを焼きだし30年、初めて訳を知りました。
 実はこの夏、「ナスと塩」でも、目からウロコ体験をした。
 わたしの料理の基礎をつくった料理本(表四には若い若尾文子が微笑む)があって、それに「ナスを切ったあと、塩水に浸ける」とあったので、わたしはずっとソレを守ってきた。そういうものだとナス調理の手順として身につけていた。
───ナスはほとんどが水分なので、調理する前に塩水に30分(ここはうろ覚え)ほどつけておきましょう。
 というのを、テレビの料理番組で言ってた。そうすると、炒めたときに油の使用量が少なくてすむと。
 訳は大事だ。以来、その塩加減にも身が入る。恥がふたつ減った2010年であります。